【イノベーション創出力を持った女性リーダー育成プログラム】
モジュール2Day3「アイディアの持続的実現モデルの策定」の対面授業が7月29日(土)に行われました。
2週間ぶりの授業は、この2週間の各チームのリサーチ結果の共有から始まりました。
●EQチェック
●インタビュー結果の共有
モジュール2のテーマは「生産性の高い働き方をデザインする」。このテーマに沿って、エクストリームユーザーに各自、各チームでインタビューを実施しました。デザイン思考のプロセスである「旅人モード」「ジャーナリストモード」「編集者モード」「エンジニアモード」のうち、「旅人モード」を実際にトライしました。
中国、台湾、ベトナム、アメリカから日本で働いていたり、語学を勉強しに来ている人、美容師、ネイリスト、宝石リフォーム会社経営者、職場の上司、二足のわらじでクレイアニメを制作している人、中学校教員、MBA取得やTOIES900点越えのスーパー社員、ヨガインストラクター、ヒッチハイクを続けながら日本各地のブルワリーを巡っている人、88歳現役染め物職人など本当に多様で多彩なエクストリームユーザーへのインタビュー結果をクラス内で共有します。
「こんなことを考えながら仕事をしているんだ&!という発見があった」「自分を客観視できている」「非効率の中から生まれるものがある」「生産性は意識しないが、効率は意識する」「一所懸命やって感謝されることが喜び」「人を育てる」「量から質への転換」「仕事は仕事、遊びは遊び」「好きなことを仕事にすれば働かなくていい」など、たくさんのインサイト(気づき?発見)を得ることができました。
●インタビュー結果の整理
クラス全員分のリサーチ結果を共有(ダウンロード)した後は、「ジャーナリストモード」でこれまでのインプット情報を整理します。Day2で学んだコンセプトマップ、ステークホルダーマップ、共感マップのいずれかを用いて整理を行っていきます。
Day2ではとても苦労しながら作成したこれらのマップ、今日はどのチームもスムーズに作成していました。力が積みあがっている証です。
●アイディア創出の理論解説
午後からはいよいよ「編集者モード」に入ってアイデアを作り出していきます。
アイデアを作るときには「発散」と「収束」が大切です。いきなりアイデアを絞り込んで詳細を決めていくのではなく、まずは「発散」。とにかくたくさんのアイデアを出していきます。今日の演習はこの「発散」を目的に、3つのアプローチでアイデア出しを行いました。
まずは、新結合思考。
AとB、2つの異なるものを組み合わせて新しいものを生み出す思考です。この場合、まったく新しいものどうしを組み合わせる必要はなく、今までもあった技術を活用したり、一見関係のなさそうなものと組み合わせてみることでも成り立ちます。
24個ものアイデアを出したチームもあったほど、盛り上がりながらの演習でした。
次に、未来逆算思考。
この考え方は、イノベーションを生み出す発想においてとても重要です。今ある製品やサービスについてアンケート調査を行い、不満や不便を洗い出し、それを解消する製品やサービスを提供することも顧客満足を高めることにつながります。けれども、それでは、現在の延長上の製品、サービスしか生み出せない。未来逆算思考では、「こうあったらいいな」と思う理想の姿を先に描き、それを実現するためにはどんなビジネスモデルやマネタイズの仕組みが必要なのかを考えていく思考法です。
生涯現役で働きたい、楽しくわくわくと仕事をしたい、自分の時間の使い方を自分で決められる、外国人と一緒に当たり前に働ける…などの理想の姿から逆算したアイデアが生み出されました。
最後に、逆張り思考。
通常、当たり前と思われていることの逆を考えていく方法です。競争戦略の「ブルーオーシャン」「レッドオーシャン」に近い考え方とも言えます。課題を正攻法で解決するのではなく、課題の裏、解決策の裏を考えていきます。モジュール1で学んだペイオフマトリックス(2軸の分類)を駆使しながら、競争相手がいない空白地帯を探していきます。
仕事を楽しむ⇔しんどい仕事、効率⇔非効率、労働期間が長い(生涯現役)⇔短期間働く、多言語対応⇔日本語のみ、など様々な軸を設定しながら、アイデアを創出していきました。
今日は新結合思考、未来逆算思考、逆張り思考といった思考法を用いながら「編集者モード」を体験しました。これから3週間の間に、今日学んだ思考法を使って、さらにアイデアを出し合い、ブラッシュアップしていきます。
次回はモジュール2最終日。いよいよアイデアを形にしていく「エンジニアモード」に突入です。
★※授業を「可視化」に!!
講師岸先生より、今日の授業の内容をいつもの「可視化」に、まとめて頂きました。
<お問い合わせ>
福岡女子大学 地域連携センター 女性学び直し担当
manabi@fwu.ac.jp
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